大判例

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名古屋高等裁判所 昭和25年(う)2250号 判決

原判決によれば原審がその判示第二の事実に論旨摘録のように法令の適用をしていること右論旨第一点における説示から明かなようにその判示事実中最初の昭和二十四年一月十一日から同年三月十日迄(原判決第二明細表の(1)乃至(31))の行為は右第一前科の刑の仮出獄中であり且つ第二前科の刑に服役する以前であるから累犯にならぬことは所論の通りであつて更に同年四月六日から同年五月二十六日迄(同上(32)乃至(41))の行為は右第一前科の刑の刑期終了後五年以内であつて且つ第二前科の刑の服役前であるから再犯となり次に同二十五年七月七日から同年九月十三日迄(同上(42)乃至(54))の行為は何れも右第一、第二前科の刑の終了後五年以内であるから三犯となる訳であるそこで刑事訴訟法第三百三十五条は有罪の判決をする場合その所謂法律理由の記載については「法令の適用を示さねばならない」と規定しているがこの規定の態様は旧刑事訴訟法第三百六十条における規定と同一であつて右旧刑事訴訟法の法令の適用を示すとは如何なる事実に如何なる法令を適用したかを明かならしめ以てその主文に到る経路を明かならしめることを要するものと解されていたのであつて右刑事訴訟法の規定の趣旨も亦これと同一と解される蓋し単に法令を列記する丈で足りるとする場合は旧刑事訴訟法第五百二十六条刑事訴訟法第四百六十四条のように「適用した法令を示さねばならない」とか又は刑事訴訟規則施行規則第三条第五号、旧刑事訴訟法事件の控訴審及び上告審における審判の特例に関する規則第八条のように「法令を掲くれば足りる」という様に規定し刑事訴訟法第三百三十五条の規定の態様と明瞭に区別しているからである。而して法令を列記したにすぎない場合であつても事実が簡単であつて当然その法令と事実との関係なりその主文に到る経路が理解し得られる場合はそれで法令の適用を示したものとなし得るが本件のように数十個の事実があつてその一部は累犯の関係がなくその他の部分は再犯の関係となるものと三犯の関係となるものがあるというような複雑な場合に単に原判決記載のように刑法第五十六条第五十七条第五十九条と列記した丈ではその適用の正否を審査するに由なく明かに右刑事訴訟法第三百三十五条に違反するものというの外ないのであつて且つ右の違法は判決に影響せぬものとはいえないのでありこの点において論旨は結局理由があるに帰着し原判決は被告人の論旨を判断する迄もなく同法第三百七十九条第三百九十七条によつて破棄を免れない(尚論旨中原判決における併合規定と累犯規定との適用順序に誤があるとする点は違法ではあるが判決に影響ないものと認められる)。

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